片方噛み(偏咀嚼)を続けると…

人間の体は左右対称ですがその機能には差があり、「右利き」「左利き」というように左右どちらかが優位に働きます。噛むという行為も同様で、食事の際に噛む回数は右と左で異なり、より多く噛む側が「利きアゴ」になります。ただこの噛む回数が左右で極端に異なり、常にどちらか一方でしか噛まないという場合、これを「偏咀嚼(へんそしゃく)」と呼び、口腔悪習癖の1つです。

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偏咀嚼を続けていると、噛んでいる側の顎や、顎を動かす咀嚼筋が緊張する一方で、反対側の咀嚼筋がゆるんで、顎がずれる原因になります。
顎のゆがみは、歯並びや顔全体のバランスの乱れにもつながります。眉の高さや目の大きさ、笑ったときの口角の位置、ほうれい線の濃さなどが左右で大きく異なるという人は、もしかしたら偏咀嚼によって顎がゆがんでいるのかもしれません。
また咀嚼筋の緊張は、顎が「カクカク」と鳴ったり、痛んだりする顎関節症の一因と考えられています。

かみ合わせが原因で頭痛や腰痛の原因にもなる!?

偏咀嚼で噛み合わせが悪くなると、頭蓋骨のバランスを支えている上下の顎にズレが生じてしまい頭の傾きや全身のバランスが崩れてしまいます。そのズレに対応しようと首や肩、背中などの筋肉もバランスを崩し、やがて体の中心軸にもズレが生じます。中心軸がずれると体全体が歪み、頭痛や肩こり、腰痛などを引き起こします。

また、虫歯や歯周病で歯を失うと他の歯に負担がかかり噛み合わせのバランスが崩れ、偏咀嚼を引き起こします。

左右均等に噛むことを意識して

食事をするときは、右側で10回噛んだら、左側で10回噛むというように、左右均等に噛むことを意識しましょう。また、軟らかいものばかり食べていては、噛む回数が少なくなって左右でバランスよく噛むのが難しいうえ、顎の力も低下してしまいます。根菜類、こんにゃく、きのこ、海藻類を使った料理や、野菜スティックなど、噛み応えのあるメニューを積極的に取り入れ、噛む回数を増やしましょう。

奈良県 大和高田市の歯科・矯正歯科

ふかみ歯科・矯正科クリニック

香芝市・橿原市からも多数来院されています。