ガン治療とお口のケア
がんは日本人の死因第1位の病気です。
生涯のうち、日本人の男性2人に1人、女性では3人に1人はがんにかかると言われており、まさにがんは他人事ではない、身近な病気と言えます。
がん治療中には、口の中にも様々な副作用が高い頻度で現れます。口の副作用は、痛みで患者さんを苦しめるだけではなく、食事や会話を妨げ、口の細菌による感染を引き起こすなど、がん治療そのものの邪魔をします。そのため米国ではがん治療を開始する前に歯科で口のケアを受け、合併症を予防しようとすることが一般的になっています。このような「がん治療における口のケア」の取り組みが、日本でも注目されています。
抗がん剤治療によるお口の副作用
- 口内炎
口の粘膜が荒れて痛む
- 歯の感染症
免疫が低下し、細菌が感染を起こす
- 味覚の異常
味がおかしく感じるようになる
- 口腔乾燥症
唾液が出なくなり、乾燥する
ほとんどの抗がん剤治療中は、骨髄抑制といって、細菌に対する体の免疫力が低下する副作用があります。がん治療中の吐き気やだるさなどで口の清掃が難しくなり口の細菌が増えることと重なると、口の感染症が非常に起こりやすくなります。また免疫力が低下した時の口の感染は、全身に広がってしまう危険もあります。そうした状況にならないためにも、日頃からの口腔ケアを行っていきましょう。
口腔ケアを行う主な目的
- 口腔内の痛みなど、病態の悪化を防止し食事が摂取できるようにする
- 口腔内の細菌繁殖を少なくし、肺炎などの二次感染を防止する
- 唾液の分泌を促し、自浄作用を促進する
- 口腔内に残った食べカスや歯垢を取り除き、虫歯や歯周病を予防する
- 口腔内の不快感を除去し、食欲亢進をはかる
- 舌清掃をすることで、舌の上の汚れがなくなり口臭が減る
口腔ケアだけで細胞の損傷自体を防ぐことはできませんが、感染症を予防する上で、非常に重要な役割を担っています。食事や会話がおっくうにならず、快適な日常生活を送れるよう、正しい口腔ケアを行いましょう。
奈良県 大和高田市の歯科・矯正歯科
ふかみ歯科・矯正科クリニック
香芝市・橿原市からも多数来院されています。