唾液の出ない子供たち

 『唾液』は口から垂れる液と書きます。小児の歯科治療ををやっている時、10年ぐらい前は子どもさんん口から、叫び声と共に、文字通り唾液があふれ出ていました。でも、最近は口の中に唾液が溜まっていない子供さんが増えて来ています。
 その原因の一つに食生活の変化があります。最近の子供たちの食事風景には、ご飯と共に、飲み物が常にあります。食事の時に、水やお茶を飲みながら、流し込み食べをすると、身体は唾液を出す必要がなくなってしまいます。
写真①昭和31年10月食卓を囲む子どもたち-t.jpg
 50年前の食事風景には、湯のみはありません。食事が終わってからお茶を飲む習慣がありました。現在でも懐石料理などは、最後にお茶が出るのが普通です。
欧米の食卓0.jpg
 食事の欧米化により、水と食べ物が同時に食卓に上るようになります。ファミレスなどでは、まず、水が運ばれてきます。これは、接客中というサインとして広まったものです。

 動物実験で、乾燥した餌で育ったネズミと、水分の多い餌を与えたネズミで、唾液を作る組織の重さをはかった所、水分の多い餌を与えたネズミの重量が少なかったという結果が出ています。
 菊地賢司、三木真弓、宮本幸子、有田憲司、西野瑞穂:咀嚼が唾液腺の発達に及ぼす影響について、小児歯誌、27(2) : 427-4351989)


唾液の効果_2.jpg 噛まずに食べる癖は、将来の口腔乾燥症への入り口になるのではないかと心配しています。

奈良県大和高田市
医療法人 橙花会 ふかみ歯科・矯正科クリニック